今回は海外で自社の製品を修理している工場へ行って修理方法の説明をしてきた時の話しをしたいと思います。
今は設計の仕事をしていますが以前は修理の仕事をしていました。
配置が代わっただけで会社は同じです。
製造業なので海外で当社の製品を販売しているグループ会社の工場と協力会社の工場へ修理の指導に行ったことがあります。
ヨーロッパの海外拠点工場なのですが、製作・組立・修理をおこなっているところです。
今までは海外の修理スタッフがカバーしていたのですが、新しく工場も建てて現地で職員を採用し、今回日本のメーカーから直接修理指導をしてもらいたいということで現地へ赴くことになりました。
せっかくなので拠点工場へ行く道中でも修理協力会社があるのでそこへ寄りながら行くことになりました。
最初に行った協力会社は販売と修理をしているところなのですが、当社のファンだということで当社愛が強すぎて社名と製品を腕に刺青として彫っていました。
これにはビックリしましたね。
ファンでもここまでするのか、と。
当社とはかなり古い付き合いで、創業の最初の頃からの付き合いがあるらしく創業時の初代社長をご存知でした。
創業者に惚れての当社愛のようで現在でも変わらない付き合いをしていただけて嬉しい限りです。
日本では買い替えということで機械が古くなったら新しい機械を買うことが多いですが、海外ではずーっと同じ機械を使っています。
無い部品は製作してまで大事に使っています。
いつまでも使っているのでかなり古い機械がありました。
私も社歴はまあまあ古い方ですが、知らない機械や古くてカタログでした見たことのない機械が修理中で置いていました。
聞いている話を想像する限り(ヒアリングが弱いのでたぶんこう言っているのだろうなということです)メーカーの私より知識もあり修理方法も間違っていないと感じました。
相当な場数をこなしていると思います。
こちらが知らない故障の修理方法まで知ってるような感じでした。
ここではいい意味で学びがありました。
もちろん会話力が低い私がきちんと英語を話せていれば、もっと面白い話をたくさん聞けただろうと思うと残念ではありますが、それでも私にとって思い出に残るいい経験だったことは間違いありません。
相手の社長さんが気さくで、話せない私に対しても見下した態度などはとらず、伝えたい思いは伝わってきたのがよくわかります。
この社長さんは15年後、来日して我々の工場へ来る機会があり久しぶりに再会しました。
立派な跡継ぎの息子さんと来てくれましたが、昔私に会ったことがあるというのです。
全然覚えていませんでした。
刺青は相変わらず入れてあり「モデルチェンジしてないんだけどな」って笑って言っていました。
楽しかったディラーの修理販売工場でしたが、この後は目的の自社海外工場までの道中で当社の機械が動いている現場を3ヶ所ほど見て回りました。
当社の海外スタッフが定期的に見ている現場らしく、目的は違いますが彼の仕事の付き合いをしてきました。
ここでちょっと私の会社でどんなものを製造しているかを話します。
製造業つまりメーカーなので機械の製造販売をしています。メンテナンスや修理サービスもやっています。
作っている機械は、石や岩を割る機械とかビルを解体する時にコンクリートや鉄骨などを破砕切断するものが主な用途です。
石や岩を割る機械は採石場や建物工事の基礎岩盤などを直接叩いて割るモノになります。
金槌でノミを叩いて石を割ったり削ったりしますが、それの巨大版で油圧ショベルに取り付けて使います。
ビルの解体などでも油圧ショベルに取り付けてショベルの腕の先端部に当社の機械を付けてコンクリートを割ったり、鉄骨を切ったりしていきます。
これらは海外でも沢山のメーカーがありますが、一応当社も名が知られているくらいの知名度はあります。
市場は日本に限らず全世界に展開しています。
相手が岩やビルなどなので使い方はかなりハードでメンテナンスや修理は多いと思います。
昔は壊れて呼びつけられ、よく現場で修理していました。
海外でも同じようで、ヨーロッパやアメリカに系列会社はありますが、アメリカは独立してて修理販売までこなせています。
ヨーロッパでは日本からの輸出品を100%販売していたのですが、現地で修理工場が無く自社出資の工場を建てようということで設備投資しました。
その工場の修理部門で現地海外スタッフと修理の講習会をしてレベルの向上をはかろうというのがこの出張の目的でした。
さて、その工場ですがかなりの田舎にあります。
ヨーロッパの東の方なので冬は極寒で訪問した時は5月だったのですが、夜の9時を過ぎても外は明るくて白夜に近い感じでした。
工場の就業時間は、朝の6時からお昼の3時まで。
昼が長いとこういう生活スタイルになるようです。
いや、詳しく調べたわけではありませんので他は違うかもしれませんが・・・
さて実際の修理指導の進め方なのですが、英語の弱い私がここで更に困惑することになります。
それは、英語すら通じない国。
この工場で英語を話せるのはただ一人だけ。工場長すら片言しか英語は話せなかったです。
でも修理指導するのは現地の人に向けてやるので英語は話せない人ばかりです。
ちなみにドイツ語ならなんとか通じるらしく、ドイツ語でもなまりがあるらしいです。(あとから日本で聞いた話です)
言葉が全く通じないとなると、アイコンタクトとジェスチャーしか頼るものがありません。
部品を分解してシールを交換し、傷のついた部品を磨いたり手直ししたり取り外しや組み付けの順序などを指導するのですが、細かなニュアンスが通じなくて困りました。
ウチの外人スタッフは話せるので意思疎通は出来ますが、用事があるといってほとんどこちらには来なくて、私が一人でほとんど全部説明する事になりました。
はじめに挨拶をするのに向こうの方が名前を聞いて来たのですが、それが何を言っているのか分かりませんでした。
ナーメ、ナーメってずっと言っているんです。
部品のことかと思って色々指をさしましたがどうも「name」のことを「ナーメ」と発音しているようでした。
一日目が終わった時、相当に疲れて夕食を工場長たちと行ったのですがホテルに帰ったらすぐに何もせずに寝てしまいました。
二日目、6時に行くのは可哀想だということで7時から始めることになりました。
普通のスタートで考えても7時は早いのですが・・・
二日目も何とかやりくりしました。
この講習では1台の機械を分解から始めて組立までやる予定でしたが、説明しながらやるのに全部は終わらず、不具合部品の判断と修理の仕方、シールの交換要領などを説明したところで終わりました。
分解するときに特殊工具が必要で、それを持ってきていなかったので急遽製作してもらったのですが、さすが製作工場だけはあってすぐに準備してくれました。
しかしそれを説明するのが大変で英語が出来る方になんとか絵を書いて説明し作ってもらいました。
この時、もう少しきちんと説明出来ていれば早く作業が終わったのになと後悔が残りました。
予定の講習が終わって振り返ってみると、身振りと絵を使った説明でどこまでわかってもらえたのかはかなり疑問があります。
ドイツ語しか話せないというトラブルもありましたが、少なくとも英語が話せていればもっと誤解無しに分かる人に伝えられたかもしれません。
現在この工場は英語の話せる人の割合も増やしていき、徐々に修理レベルも上がってきています。
時間がないから手を出さない英会話かもしれませんが、一日に30分でもいいから継続したらきっと道は開けます。
逆にそんなに何時間も1日に費やしても頭に残らないのであれば意味はありません。
少しずつを継続していけば恥ずかしさや抵抗も無くなって話せるようになりますよ。
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